日本固有の民族宗教であること

今回のまめ知識では、神道が「日本固有の民族宗教であること」について、日本人の成り立ちを絡めて解説したい思います。

日本人はどこから来たか?

最新の研究によると日本人の祖先は、約3万8千年前からユーラシア大陸東部より複数回にわたって移住してきたと考えられています。
朝鮮半島を経由する対馬ルート、南西諸島などを経由する沖縄ルート、
樺太を経由する北海道ルート。
時期は違えど3つのルートで日本列島に定着し、旧石器時代の原日本人となりました。

縄文時代から弥生・古墳時代へ

約1万5千年前から始まる縄文時代では、世界的に見ても珍しい形態の新石器時代が約1万年にわたって続きます。
狩猟採集生活ながらも定住生活をし、世界最古級の土器の作製、多種多彩な土偶の創造。
近年の研究では、クリの木の半栽培や、陸稲栽培が開始されていた形跡も報告されています。
このような穏やかで安定した生活様式が1万年にわたって続いたことは、冷静に考えればすごいことなんですよね。
それは日本列島の温暖な気候・豊かな自然環境の賜物でありましょうし、それゆえに我々の先祖は自然のなかにカミを見出したのかもしれません。

その後、弥生時代から古墳時代にかけて、北東アジアから多くの渡来人がやって来て、元からいた縄文人との混血が進み、現在の日本人の祖となりました。
本格的な水稲農耕の技術も伝来し、それに伴って従来の狩猟採集ではなく、農耕サイクルを軸に据えた円環的な生活が確立していきます。
土を耕して種蒔きをし、芽が出たら水をやりつつ雑草を除去し、適度な日照と降雨を願い、台風が来ないことを祈り、その年の収穫に感謝の意を捧げる。
農耕によって安定的な食糧生産が確立したといっても、気まぐれな自然に対して、いつも人間は非力なものです。
自然のなかにカミを見て、そのカミをもてなし喜ばせることによって、災害を退けて豊かな恵みをもたらしてくれるようにする。
そんな日本列島で生まれた素朴で純粋な祈りの源流が、今日まで続いている「神道」の根底にあるのではないでしょうか。

以上のことから、「神道」は、縄文時代を起点に弥生時代から古墳時代にかけて、その原型が形成された「日本固有の民族宗教」といえるのではないでしょうか。

ただし「固有」といっても、似た様なアニミズム的な自然宗教・民族宗教は世界中に点在しています。
神道の面白いところは、これより後の時代、異なる宗教・大陸文化の伝来によって滅ぼされるのではなく、様々に形を変え習合していくところです。

今後の神道の変容の歴史については、また別の機会にご説明できたらと思います。

【脱線】日本人とユダヤ人が同じ祖先?

日本人の起源について触れたついでに、ひとつだけ当サイトのスタンスを明らかにさせていただきたく思います。

近頃ネットで流行の説で、古代イスラエルの失われた部族が日本人と同祖と主張する「日ユ同祖論」。あるいはユダヤ人が縄文人と混血して原日本人になったという言説があります。

熱心な信奉者の方には大変申し訳ありませんが、当社では同説を採用しておりません。

以前、見知らぬご参拝の方より、粒坐天照神社のご祭神は「ヘブライ語の〇〇〇〇が由来なのだ。真実の歴史は隠されている」等と、ご高説をいただいたことがありました。色んな主義主張があるとは思いますが、牽強付会のトンデモ説で神社でお祀りしている神様のことを断じるのはやめた方がよいと思います。

 

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